触れてはいけない箱を開く勇気はあるか

触れてはいけない箱を開く勇気はあるか

企業がDXを進めるためには、いわゆるDXの第一段階「デジタイゼーション(アナログデータのデジタルデータ化)」に始まり、「デジタライゼーション(個別の業務・製造プロセスのデジタル化)」へとステップを踏み、DXへ至るといったプロセスが存在すると言われています。それまで紙で管理していた業務内容を、パソコンを使い記録する、いわゆるペーパーレス化がこのデジタイゼーションにあたります。デジタライゼーションでは、社内業務のデジタル化に加え、取引先やクライアントなどを巻きこんだ業務改善やイノベーションが図られることになります。ただDXに至る前段階とも言うべきこの二つのステップをクリアーする上で大きな課題が存在します。それは、各担当者、もしくは部署内に存在する「暗黙知」という壁です。

それぞれの部署やそこで働く社員の間にも、いわゆる暗黙のルールというものが存在します。

例えば…。

  • 汎用性に欠け、個別特化したノウハウの数々。
  • 特定の個人に大きく依存してしまった業務の存在
  • 長い年月の間に、背景や意図が分からなくなった、仕事の仕組み。
  • 一握りの担当者やグループの都合が優先される組織風土
  • 組織内で影響力のある個人やグループに忖度するあまり出来上がってしまった、著しく合理性や妥当性に欠けるルールや習慣

DXを進めるということは、これら“パンドラの箱”ともいうべき暗黙知の中身をこじ開け、属人化した情報をだれもが使えるものにし、長年の間に築き上げられた習慣やノウハウ、組織風土を見直すといったことが必要です。

そうしたプロセスを通して、企業のシステム化が進み、デジタル化やその先にあるDXに向けた土台が形づくられていくことになります。