DXの敵、「レガシーシステム」
80年代以降、一般企業でもコンピューターが広く普及し始め、業種業態に合わせた様々なコンピューターシステムが開発されるようになりました。
2000年代に入ると、最新のシステムがわずか数年の間に陳腐化してしまうほどコンピューター技術は急速な発展を見せはじめます。
レガシーシステムとは、そうした急速な発展により、時代遅れとなった既存のコンピューターシステムを指して使われる言葉です。
このレガシーシステムを使い続けると、企業はどんなデメリットを被ることになるのか。代表的なものを以下に挙げてみました。
- 古い技術やアーキテクチャがベースとなっていることから、最新のデジタル技術やプロセスとの互換性が低く、その結果、新しいシステムやアプリケーションの導入、データの統合が難しくなる。
- レガシーシステムの多くは、複雑で修正や更新に時間とコストがかかる。そのため、DXに必要な迅速な対応やイノベーションが阻害される。
- 部分的な更新や置き換えが困難な場合が多い
- 最新の技術やフレームワークによるシステム開発に慣れたエンジニアや開発者とって、レガシーシステムのメンテナンスや更新を行うのは難しい場合がある。
数々のデメリットを抱えるレガシーシステムですが、一方で長く使い続けてきたことで、社員にとっても、また企業にとってもなくてはならない存在で、これ以上使いやすいシステムはないほど、しっかり企業の中に定着しているため、いくら時代遅れと言われても、簡単に新しい仕組みに取り換えることはできないというのが現状です。
毎日の仕事で使っている社員にとっても、普段の業務に十分役立っているシステムをわざわざ変更するなど、到底納得できるものではないというのが本音ではないでしょうか。
ただ、いくら慣れているからと言って、既存のシステムに固執していては、スピーディーで、しかも高機能なシステムを導入した競合他社に、競争優位性において明らかな差をつけられることを覚悟しなければならないでしょう。