以前、テレビコマーシャルの音楽など作っていた経験から、音楽制作の仕事も再開したいと思っていましたが、そのためにはそれなりの機材も必要ですし、時間も必要です。ところが最近になって、AIによる音楽性の技術が向上し、一定の対象であれば仕事としても成立する状況になってきました。
AIによる音楽制作は非常に安易に作業が始まりますので、誰でもミュージシャンになれる可能性を与えてくれますが、それと同時に実際の仕事となると、様々な点でのクオリティー問題が出てきます。
音質の安定性:
- 学習データの質やモデルの複雑さによって、生成される音質が安定しないことがあります。
- ノイズ混じりや、特定の音色が過度に強調されるなど、意図しない音質になるケースも。
音楽的整合性:
- 作曲のルールや理論から逸脱した不自然な進行や和声になることがあります。
- ジャンルやスタイルの理解が浅いため、そのジャンル特有のニュアンスや特徴が再現できないことも。
感情表現の精度:
- 人間が感じるような繊細な感情表現を再現することは非常に難しく、機械的な印象を与える楽曲になりがちです。
- 喜怒哀楽といった基本的な感情表現はできても、複合的な感情やニュアンスを表現することは困難です。
創造性の限界:
- 学習データに依存するため、既存の音楽の模倣にとどまり、真に独創的な楽曲を生み出すことは難しいです。
- 斬新なアイデアや実験的な音楽を生み出すことは、現時点ではAIの能力を超えています。
歌詞の質:
- 歌詞の内容が意味不明だったり、文法的に誤っている場合もあります。
- 詩的な表現や比喩的な表現を生成することは難しく、ストレートな歌詞になりがちです。
これら以外にも著作権問題なども存在することから、仕事にした場合多くの部分で人の手が必要となるでしょう。
それでも、制作の可能性を広げてくれるのは確かです。当くまもとDX・AI研究所でもこれらの問題に対処できる形でAIを使う音楽のビジネスモデルを実現できないか実験を続けています。
実験中の音楽