そもそもトランスフォーメーションって何?

そもそもトランスフォーメーションって何?

Xと書いてトランスフォーメーション。慣れない表記に多くの日本人が戸惑いを隠せなかったいわゆる「DX」(デジタルトランスフォーメーション)。

今では「GX」(グリーントランスフォーメーション)なる言葉が出てきたり、果てはAX(アナログトランスフォーメーション)という、デジタルから、まさかのアナログ回帰を思わせる言葉まで登場するなど、X界隈はかなり混迷を深めている様子ですね。

DXをきっかけに日本人の多くがその言葉を知るきっかけとなったこのトランスフォーメーション。言葉の意味を探ることで、DXをより深く知ることができるのではと考え改めて語源をたどってみました。

すると、トランスフォーメーションとは変化、変質といった意味があり、形や意味が大きく変化するというニュアンスを伴っているようです。例えて言うと、さなぎが羽化して蝶になるような感じでしょうか。

DXが求めているものは、さなぎが蝶に変るぐらいの変化(トランスフォーメーション)だと言えそうです。

このさなぎが蝶へと大きく変貌を遂げるという現象を深く見ていくと、形こそ大きく違うものの、その実態は同じ個体です。さなぎはいずれ羽化することを前提に、体の機能を変化させる準備を着々と進めていたとも言えます。

歴史を振り返ると、長く存続している企業の中に、創業当時の事業から見事に形態を変化させた企業をいくつも見つけることができます。

  • 自動織機から世界トップの自動車メーカーとなったトヨタ自動車。
  • 写真フィルム製造から化粧品、医薬品メーカーとなった富士フィルム。
  • 絹製品販売からキャラクタービジネス事業で成功したサンリオ

日本はもとより、海外に目を移せば、さらに多くの企業がいわゆるトランスフォーメーションを成し遂げていることに気付かされます。

こうしたトランスフォーメーション企業に共通しているのが、既存事業と新規事業の親和性が高く、しかも事業としての連続性があったことなどが挙げられます。

DXはあくまでトランスフォーメーションをデジタルの力で実現しようという試みだと考えれば、実は多くの企業にそのチャンスが隠されているのではないでしょうか。